- 防音マットを調べていると「LL-○○」ってあるけどどういう意味?
- L値が表記されている商品って本当に効果がある?
- L値の高いおすすめの商品は何?

防音マットを調べていると必ずと言っていいほど目にするのが遮音等級(L値)です。
遮音等級(L値)とは床の防音性能を表す指標で、数字が低ければ低いほど防音効果が高いとされています。
ただし、L値が低いからといって完璧な防音効果があるかと言えば、そんなことはありません。
私は子供の足音対策をきっかけに、L値を調べ出しましたが、知っておくと床防音対策が無駄なくできるようになります。
本記事ではこれから防音対策をする方に向けて遮音等級で知っておくべきことを詳しく解説いたします。
遮音等級(L値)とは
遮音等級とは床の衝撃音をどれくらい防ぐことができるのかを表した数値です。厳密にいうと、上の階から生じる音が床を通じてどの程度聞こえるのかを表しています。
遮音性能を表す数値は「L値」もしくは「L等級」と言われ、数字が低ければ低いほど遮音性能が高くなります。

ΔL等級(デルタエル)について
「LL」と一緒に「ΔL」という表記を見たことがある方もいると思います。
ΔL等級は2008年に4月に床材の床衝撃音低減性能の表現方法に関する検討委員会が発表した新しい表記方法です。
従来の表示方法が空間性能を推定したものであったのに対して、ΔL等級は床材が床衝撃音をどれだけ抑えられるかという製品単体の低減性能を表すものです。ΔL等級の場合、値が大きいほど性能がよいことになります。(例:4等級のほうが2等級より性能がよくなります。)
https://jafma.gr.jp/flooring/sound/s06/
床の遮音等級には「LL」と「LH」2種類ある
一言に遮音等級といっても「LL」「LH」の2つの値が存在します。主な違いはLLは軽量床衝撃音に対する数値で、LHは重量衝撃音に対する数値となります。
遮音等級表記 | 音の種類 | |
---|---|---|
軽量床衝撃音 ※Light weight | LL | イスの移動音・物を落とす音 |
重量床衝撃音 ※Heavy weight | LH | 子供の足音。飛び跳ねる音 |
市販の防音マットには「LL-○○」と記載されているので、あくまでも軽量床衝撃音に対するものとなります。LLは子供の足音に対する指標ではないことを知っておく必要があります。

「LL-○○」は軽量床衝撃音に対する遮音等級
※LはLight weightの略
等級 | 音の目安 いすの移動音・物の落下音など | 生活実感 プライバシーの確保 |
---|---|---|
LL-70 | かなりうるさい | たいていの落下音ははっきり聞こえる 素足でも聞こえる |
LL-65 | うるさい | 上階の生活行為がよくわかる |
LL-60 | 発生音がかなり気になる | 上階の生活行為がわかる |
LL-55 | 発生音が気になる | 上階の生活行為がある程度わかる |
LL-50 | 聞こえる | 上階の生活状況が意識される |
LL-45 | 小さく聞こえる | 上階の生活が多少意識される状態 大きな動きはわかる |
LL-40 | ほとんど聞こえない | 上階で物音がかすかにする程度 気配は感じるが気にはならない |
LL-35 | 通常ではまず聞こえない | 上階の気配を感じることがある |
LL-30 | 聞こえない | 上階の気配を全く感じない |
市販の防音マットはLL-50からLL-35と表記されているものが多いです。
LL値の計測方法
対象となる防音マットを敷き、床衝撃装置(タッピングマシン)によって計測します。
わかりやすい動画をピアリングさんが公開していますので、参考にしてください。
「LH-○○」は重量床衝撃音に対する遮音等級
※HはHeavy weightの略
等級 | 音の目安 人の走り回り、飛び跳ねなど | 生活実感 プライバシーの確保 |
---|---|---|
LH-70 | うるさい | たいていの落下音ははっきり聞こえる 素足でも聞こえる |
LH-65 | 発生音がかなり気になる | 上階の生活行為がよくわかる |
LH-60 | 発生音が気になる | 上階の生活行為がわかる |
LH-55 | 聞こえる | 上階の生活行為がある程度わかる |
LH-50 | 小さく聞こえる | 上階の生活状況が意識される |
LH-45 | 聞こえるが意識することはあまりない | 上階の生活が多少意識される状態 大きな動きはわかる |
LH-40 | かすかに聞こえるが遠くから聞こえる感じ | 上階で物音がかすかにする程度 気配は感じるが気にはならない |
LH-35 | ほとんど聞こえない | 上階の気配を感じることがある |
LH-30 | 通常ではまず聞こえない | 上階の気配を全く感じない |
子供の足音のような重量床衝撃音は市販の防音マットで防ぐことはできません。LHは床のスラブ厚や密度など、建物の構造そのものが大きく関係する数値となります。
LHの計測方法

LHは子供の足音を再現するため「ドスン」といった衝撃音を発生させるバングマシンを利用して計測します。
遮音等級(L値)は推定値でしかないので要注意
遮音等級はあくまでも目安であり推定値となります。遮音等級を計測する実験室の環境次第で大きく変わります。
L値を測定するの条件として、「床下の厚さ(スラブ厚)150mm」と定められていますが、SRC造やRC造・木造など、建物の作りによってL値の出方が大きく変わることがあります。
※一般的なマンションの床下は150mm~180mmとされています。
また長大スパンの床版、柱(はしら)、梁(はり)、壁など、建物構造そのものの作りによってL値のバラツキが大きくなります。
防音マットを選ぶ際にはL値を鵜呑みにするのではなく、あくまでも目安として商品選びをすることをおすすめします。
遮音等級別おすすめの防音対策グッズ(LL-50~LL-35まで)
ここからは遮音等級別の防音対策商品をご紹介していきます
等級 | 音の目安 いすの移動音・物の落下音など | 防音商品 |
---|---|---|
LL-50 | 聞こえる | カーペット |
LL-45 | 小さく聞こえる | コルクマット ジョイントマット |
LL-40 | ほとんど聞こえない | 静床ライト/静床プレミア |
LL-35 | 通常ではまず聞こえない | 防音専科MUTE |
【LL-50程度】コルクマット(ジョイントマット)

価格:4,990円~12,900円(税込)
サイズ | 30cm×30cm 45cm×45cmほか |
厚み | 10~20mm |
コルクマットやジョイントマットは防音対策をする上で最も手軽に行うことができます。
ただしLL値としては高いため、あまり防音効果は望めません。
【LL-45程度】廊下敷きロングマット

価格:4,990円~12,900円(税込)
サイズ | 長さ180cm×幅80cm ※長さは180cm~540cmから選べます。 |
厚み | 約12mm |
カーペットもLL-45程度です。カーペットの表面は起毛しているため、物を落とした際の衝撃を和らげてくれます。
【LL-40】静床ライト・静床プレミア

価格:2,442円~3,850円/1枚
サイズ | 50cm×50cm |
厚み | 9.5mm~12.5mm |
静床シリーズはLL-40に分類されます。LLはほとんど聞こえないですが、子供の足音への効果を期待すると期待外れになる可能性があります。
【LL-35】防音専科MUTE

価格:2,180円/1枚
サイズ | 50cm×50cm |
厚み | 1.75mm |
市販で販売している防音マットで一番L値の低いのがMUTEです。
わたしも購入しましたが、大人の歩く音は聞こえないほど、かなり足音は軽減されます。
ただしLL-35であっても子供足音には不十分です。


遮音等級(L値)の表記がなくても役立つ防音グッズ
遮音等級はあくまでも目安であるため、遮音等級がなくとも防音に役に立つ商品はたくさんあります。
子供向けのプレイマットが最たる例です。
プレイマットの多くは遮音等級の記載はされていないものの分厚さ3~4cm。子供がジャンプしても階下に音を響かせないため、小さなお子さんがいるご家庭には欠かせません。
また個人的にはヨガマットも防音性能が高いと感じています。クッション性が高く、厚みもしっかりとあるので、防音マットやカーペット下などに敷くことで防音効果を高めることができます。


L値が記載されていなくてもアイデア次第では防音効果を高めることができますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ
- 遮音性能(L値)床の防音性能を表したもので数値が低いほうが防音性能が高い
- L値には「LL(軽量床衝撃音)」「LH(重量床衝撃音)」の2種類がある
- 市販の防音マットは「LL(軽量床衝撃音)」が表記されている。
- L値はあくまでも参考値となるため、購入時には信用しすぎない。
- L値がなくとも防音性能の高いものはたくさんある。
子供の足音対策をしようと思っている方は下記の記事をぜひ参考にしてください。
